ボレーは手でどう振るかじゃなく
ラケット全体が、腕も含めて、一体で
空中を勝手に動いていくイメージで振るといい
手首が固定されていることを強調したいので
スジガネ君に見本をお願いした
打点でボールの線と交差することと同時に
ラケットがこんなふうに動くことをイメージし
そのラケットに腕をくっつけることをイメージをするといいのだ
そうしないと
ラケットヘッドが遅れて暴れるので
コントロールができなくなる
なめらかなラケットの動きがいつも頭にあるといいのだ。
私の助手
フォアハンドスライスの専門家
スジガネ君に説明してもらおう
これは彼の肩関節
斜めに傾いたボルトを中心に
振り子のように動くだけ
もちろん肘を軽く曲げたまま
手首も120度くらい立てたまま
一切動かさない いや、動かせない
そして、この向き
打球方向に対して、斜め横向きを保ち
(上体は打点に向ける)
こんなふうに
凹型にテイクバック
一瞬の静止から、振り出し
面が徐々に上を向いてゆき
斜め上向きでインパクト
インパクトでブレーキをかけるので
小さなフォロー
上腕がかなり上体に近づいて行っているのを見れば
アウトサイドインのスライス感覚も感じてもらえる鴨。
そんな必需品のスライス
スウィングについて説明しよう
一言で言うと
肩を中心に弧を描く
弧を描くから、赤い線のように凹型のスウィングになり
ラケット面は青い線のように徐々に上を向いていく
左端、最初のラケット面が
やや下向きになっていることに着目してほしい
だが、インパクトは斜め上向きの面なのだ
この時の肩関節の動きだが
一切捻らない
内旋も外旋もしない
だから面はぶれない
そして
手首だが
一切動かさない
3枚違うショット、違うタイミングだが
すべてが完璧なほど同じ形なのだ。
手首は一切こねない
たとえトップスピンがメインのプレーヤーでも
最初から面を作って引き
肩、肘、手首
一切動かさないのなら
スライスをとっさに使っても
狂うわけがないということだろう
そういえばこの人、ドロップショットも上手だった鴨。
前回リターンで最後の手段としたのがスライス
左肩の上に引いて
ヒット
それだけ
一番届くのがこれ
一番短時間で処理できるのがこれ
時間が有り余ったら、使えないというわけではないから
スライスは万能
トップスピン、フラット、スライスといろいろあるが
もし一つに絞るとしたら、これ
事実
アマチュアに限るが
ベテランや女性の世界では
フォア、バックともスライスしか使わない人がかなり多い
ストローク、ボレー、ロブ、ドロップショット、リターン
なんにでも使える
スライス感覚、スライススウィングしかしないから
精度もかなり高い
スライス以外の例えばトップスピンのプレーヤーも
松原さんもその典型だが
トップスピンで処理できない
オープンコート遠くに打たれたショットをぎりぎりで拾うとき
ネット際で低いボールを処理するとき
遠いサーブや、ボディーサーブを打たれた時など
スライス以外の対応は考えられない
ボレーももちろんそう
だから
スライス以外がメインのプレーヤーであっても
スライスは一流プレーヤーのたしなみ
必需品なのだ
スライスを使わないプロはいない。
ボレーは
上体の回転パワーで打つ種目ではない
ほぼ腕のスウィングだけ
身体はボールとの距離をつかむために動くことのみ
上体の回転も使わない
だから
上体がどんな向きでも、傾きでも打てる
前向きでもOK
そんなつもりでいても
遠くに来たら
そちらへ踏み込むから
自然に必要なだけ横向きになる
わざわざ横向きになると
窮屈になりすぎる鴨。
ボレーは動きの中で打つことをお勧めする
プロの写真を見るとほとんどそうしている
なぜかというと
ノーバウンドのボールを打つボレーは
滑らかな動きの中で打つ方が
打点にスウィングを合わせやすいし
頑張り、踏ん張って
全力で打つ必要性が少ないからだ
ドライブボレーはちょっと違うが
こちらはストロークの範疇と考えた方がいい
さて
動きながら打つとボールとの距離がきちっと決まりやすい
だから正確なヒットができる
戦術的には
よりネットに近づけるから
打てる範囲が広がり
有効なショットになりやすい
コーチの見本を見ると
止まっていることが多いが
これは形を見せるため
か
試合を意識していないため
か
やる気がないため、鴨。