ラケットのチューニングをするのにはフレームに鉛のテープを貼り付けてバランスを変えたり、もしくはバランスはそのままで全体重量を上げてオリジナルモデルよりも重くしたりします。
そうすることで自分のスイングスタイルに合ったラケットに仕上げたり、相手の重いボールに打ち負けず自らのショットの強さを増すためにやるわけです。
僕も何度かそういうチューニングをしたことはありますが、その時はフレームの外側にテープを貼り付けて加工するやり方しか知りませんでした。
ところが最近はそうした錘をフレームの外側ではなく内部の見えない所に付けるようになっていて、一見すると普通のオリジナルモデルと同様なのに振ってみると「あれっ?」と思うような仕掛けになっています。
僕は自分がもうチューニングをしないつもりでしたので、そういう見えないチューニング加工術みたいなものには縁がないかなと思っていたのですが・・・
お客さんからの依頼でそういう特殊加工をして欲しいと頼まれて、軽い気持ちで(ネットで調べたり誰かに聞けばすぐに出来ちゃうだろう)と考えて引き受けました。
それで今どうなっているのか?
もう店の机とカウンターの上がまるで爆弾作りマニアの隠れ家みたいな感じで、あれやこれやといろいろ試した残骸でぐちゃぐちゃです
何せどんだけ大変かというと、まずグロメットを外す→錘を付ける→グロメットを嵌める→ウェイトを量りバランスを調べる→やり直す→グロメットを外す→錘を付け直す→グロメットを嵌める→ウェイトを量りバランスを調べる・・・とこれを何度も何度も繰り返します。
そして内部に仕込む錘についてフレーム内で動いて異音を発したりしないように、最適な素材を探して駆けずり回り、仕込んでみる→ラケットをスイングする→また探しに行く→仕込む→スイングする→やり直す・・・とこれまた堂々巡り。
いやグロメットの取り外しと付け直しだけでも実はもっとも大嫌いな作業で、やっていてほんとに気が狂いそうになりながら自分をなんとかなだめながらやっています。
いやー新年早々にショップ始まって以来の超難儀な仕事初めとなりましたが、これが上手く出来たら新たなチューニング加工サービスをスタート・・・しようかなと思って引き受けてみたものの、正直いって今の心境は「もう二度とやりたくないです!」って言うか今のこのラケットをどうするんだ?が先決です!
と何だかんだと言いながら実は楽しんでやらせて頂いております!ってことにしておきましょうね・・・