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今夜から全仏オープン2017が開幕します。
大会初日の今夜は日本からは予選を勝ち上がったダニエル太郎選手がイェルジー・ヤノヴィッツと、奈良くるみ選手がアマンダ・アニシモバと、杉田祐一選手が第25シードのスティーブ・ジョンソンと対戦します。
そしてセンター・スタジアムであるフィリップ・シャトリエ・コートのオープニング・マッチには、不運な怪我からの復帰第一戦となるペトラ・クヴィトバが登場して、ジュリア・ボザラップと対戦します。
試合へ向けて現地金曜日に記者会見に臨んだクヴィトバはこんな風に語っていたの。
「あの事件のあと、数日はあまり良く眠れませんでした。でも一人ではなかったのです。常に家族やコーチ、友達などが一緒にいてくれたのです。悪夢にうなされる事もありませんでした。最初は街などに出るとちょっと不思議な気持ちでした。じっと人を見てしまったり、変な人はいないかとあちこち見たりしていたのです。でも時が経つと平気になりました。もちろん、近くにいる人をよりじっくり見るようにもなりました。」
「この日が来ると分かっていました。こうしてここにいる事が本当に幸せです。夢が叶ったようです。またドローに自分の名前があってまたテニスをする事が出来たのです。もちろん、辛い時もありました。まだ手は完璧ではありません。だからどうなるかはやってみなければ分かりません。でもまたコートに立てる事が幸せなのです。」
「手術をして2日後にリハビリが始まりました。ちょっとした指の動きなど、簡単なものでした。最初は動かす事が出来なかったのですが、2週間ほどすると手の器具が取れて、もっと激しいリハビリが始まりました。最初は簡単な指の運動から始まったのです。未だに完全には動かせません。ほんの数ミリの動きでも嬉しく感じました。(フランスの)グルノーブルへ行き、指の専門家にも診てもらいました。毎月通ったのです。家でも出来る指のリハビリを教えてくれました。初めてラケットを握ったのは3月でした。3月の終わりです。ネットの近くで柔らかいボールでフォアハンドを何球か打ちました。とても不思議な感触でした。もちろん、まだ手には力がなかったので、それから一生懸命トレーニングをしました。いつかきっと全てが完璧になる日が来ると願っています。」
「試合を楽しみにしています。テレビで試合を見ていたら、あまり良い気持ちにはなりませんでした。テニスが人生から奪われてしまったかのようで、しかもそれは自分の決断ではなかったのですから。突然、大好きな事が出来なくなってしまったのです。だからこうしてここにいるだけで幸せで、テニスが出来るだけで幸せなのです。人生を今までとは違った方向から見る事も出来ました。」
って思いを語ったクヴィトバだけど、コートから離れていた間にメディアとコミュニケーションについての勉強も始めた事を明かしていたんだって。
今年の全仏オープンに多くを望んではいないと思うけど、どんな姿でコートに現れるのかとっても楽しみね!