『オレンジ』 さんから錦織圭のサーブについての質問です。
以下がそのコメントの全文です。
松原コーチこんにちは。サーブについて解説お願いします。
最近大活躍の日本の錦織圭選手ですが、昔はサーブが弱点といわれていたそうですね。
今は弱点ではないと思うのですが、トップ10の選手の中だとやや見劣りするようにみえます。
具体的にどういう技術が足りないのか松原コーチなりの解説をお聞きしたいです。
自分としては身長がまわりより低いこととグリップがややあつめな事ぐらいしかわかりません。
よろしくお願いしますm(_ _)m
オレンジ より
私の答えです。
まさにタイムリーな質問ですね。
ツアーファイナル、予選ラウンド
昨日マレーに勝ったところ
そして今晩はフェデラーと。
マレーとの試合で目立ったのは
ファーストをフラットで打ってほとんど入らなかったこと。
セカンドのスピンサーブを大胆に打って
マレーのリターンを封じたこと。
その大胆さとの引き換えに
10本くらいダブったのではないでしょうか。
セカンドとしては
危ないながらも、いい選択だったと思います。
もし打たなければ、ちゃんとやられていたでしょうね。
ファーストについて常識的な意見を言えば
もう少しだけ回転をかけて
70%くらい入れれば
余裕を持った展開ができるような気はしますね。
スピンのファースト後の方が
同球質なので、スピンのセカンドが打ちやすくなるし。
でも、実際どうだかはやってみなければわからない
結果、勝ったのだから
見ている方は怖かったけれど
いい選択だったのかもしれません。
さて技術的な話をすると
『オレンジ』 さんの指摘した
「グリップがややあつめな事」
けっこう当たっているかもしれませんね。
薄いグリップにすると
面を起こさなければカスあたりになる。
だから起こして打たなければならない。
その面を起こす動作、回内がラケットを加速させる。
だからいいサーブになっちゃう。
薄いグリップの上にさらに手首を折って
擬似的にさらに薄くしたこの人、ラオニッチ。
ものすごい。
もう一つがパワーの中心的な源、内旋。
肘を残して強烈に使うと
そう、鈴木貴男、174cmの
コンスタント200kmサーバー。
この人は世界1、サーブ動作のうまい人です。
鈴木貴男のサーブ
特にフィニッシュを見ると
腕を上に伸ばす筋力ではなく
引っ張る筋力が必要なことがわかりますね。
インパクト前後で引っ張り込むのです。
そしてこの打ち方
コントロールにもいいんです。
ところで錦織圭
少し古い写真ですが
鈴木貴男との違いが分かりやすいと思います。
とはいっても
錦織も最近では、200km/h を打てる人
最近、スピードアップしているし
さらに筋力が付けば
鈴木貴男ばりのサーブが打てるようになると思います。
今夜も頑張れ、錦織圭。