いや~皆さんご存知の通りとんでもない事になりましたね。
ジャパンオープンDAY4,世界ランキング201位、20歳の望月慎太郎プロが第1シード、世界ランキング8位のテイラー・フリッツに勝利!
その次も勝ってATPツアーベスト4に進出!
そもそもその前の1回戦で31位のエチュバリーに勝ってたんですから、この大活躍の予兆は最初からあったって事なんですかね。
いや僕、まったく予想だにしなかったと言いますか、なんとこの日!生で!見ていたんですよぉ!!!
伝説の目撃者となったのだ・・・
ふふふ・・・あーっはっはっはっは!!!!!!!!!!!!!!
木曜日で2回戦の2日目・・・
日本で年に一度のATPツアー、世界からトッププロが集まるんですから、シェルトン、アリアシム、ズベレフ、ルードみたいなトップ層、将来GSを獲るであろう有力候補の最高峰のテニスを見たいって思うじゃないですか。(GS見に行け)
シェルトン対ズベレフなんて2回戦が実現していたら、絶対とんでもない破壊力のサーブとストロークの応酬でヤバそうじゃないですか。
でもこの日は見たかった選手が敗退したり別日だったりでことごとく外していて、観戦のモチベは・・・めちゃくちゃ低かったんですよねぇ・・・(無礼)
ポピリンはいつの間にか見るの3回目、シュワルツマンとデミノーはパワー系ではないのがなぁ…
って完全に自分の好みでそのテンションかよ!みたいな。
そう、僕はパワープレーが好きなんです・・・脳筋なもので・・・
ジャンジージェンは見た目が格好良いから見たかった!(ぇ
けど、マスターズ覇者のハルカシュも見たかったし・・・
今年は10位〜20位台が勢揃い、本戦も予選もエントリーした選手のランキングが高く、昨年とはまるで違う雰囲気でめっちゃ期待感が溢れていましたが、やっぱどうしてもランキングが高い選手にばっか注目してしまう(失礼)
ランキングに差があるとどうしても塩試合になり勝ちじゃないですか。
だからナイトセッション1試合目の望月vsフリッツなんて、201位対8位ですよ。
一番ランキングの差が大きいですし、いくら日本の期待の若手が見れるとしても、フリッツとの組み合わせはなぁ…って思っていました。
望月君を見るのは初めて…では確かないんだけど、ちゃんと試合を見るのは初めて。
18歳を迎える前にジュニアGSをシングルスで優勝、って聞いた時はついに錦織級の日本人が出てくるのかって思ったものの、プロデビューして3年目、20になる直前にチャレンジャー優勝とその後200位切りは順調と言えるけど…
錦織は18歳でATP250優勝だもんね、改めて恐ろしいというか、もう二度と錦織圭は出てこないんじゃないかって、どうしても思ってしまいますよね、願っていても出てくるはずないじゃないですか。
いくら日本人が出ると言っても試合としてはどう考えても力の差で一方的な塩試合でしょ、これがナイトセッション1試合目て目玉扱いかぁ…って僕は思ってました。
そして第一セットがあっという間に0-6だったから尚更そうなるでしょってなる。
フリッツのサーブを取れないのはまだいいでしょ、外人の強力なサーブは誰しもがそう容易くブレークできるものじゃないじゃないですか。
望月君側のサービスゲームがとにかく取れない。
長く長くラリーが続いて力負け。
1ポイントを取る労力がまるで違うじゃないですか。
自分に有利なサービスゲームで苦労して苦労して取れない、防戦一方のラリー。
今の日本人で最も期待されている若手がこのプレー、ホントよく頑張って粘ってたんだけど、攻めれる展開が全く無く順当負けのような0-6。
まあ、日本の有望株の顔を拝めて良かったかな…みたいな感じで第2セット、フリッツからのサービスゲームは…まあそりゃそうだろなって感じで取られ、次の望月君のサービス。
第一セットと同じくフリッツに打たれまくってはいるんだけど、コートを走り回り、守って守ってボールが浮くも、フリッツにミスが出る。
ラッキーと思いつつそれが何度か続いて、ようやく最初のキープ。よくやった!
とにかく攻められる中どうにか拾った1ゲーム。
フリッツと比べると、そりゃそうだろって感じですが望月君はサーブもストロークも遅いですし、体も細いし、やっぱ日本人のフィジカルじゃ余程のレベルじゃないけどパワーの差で苦しいよな、と…
まーでもこれだけの力の差なら、ようやくキープできた時点で及第点でしょう!
本日は良い物見れたかなって、そう思っていましたが、そっからまた次の望月君のサービスゲームもキープ、キープ合戦の展開に。
フリッツに良いように打たれて守る一方には見えるのですが、ぎりぎりで触ったボールが妙にコートに入る。
打たれてなんとか返したボールが妙に嫌なライン際にぎりぎり入る。
望月君の打ち方ってなんか違和感があると言うか、懐が深いとはよく聞くのですが、何なんでしょう。
差し込まれてるように見えて、意外と返せている?
ボールはスピン系ではなく真っ直ぐなフラットボール、低めの球をフォアもバックも頑なにフラットばっか打って、それアウトになるんじゃ?ってボールが何故かコート内に吸い込まれる、不思議な軌道。
この日の前の試合だったポピリンなんかは、元々パワーのある選手だけどスライスやループボール使って緩急ある、バリエーション豊かなプレーをしてたのですが、いや、他の選手だってもう少しラリーの中にいろんな球種使うだろうに望月君はとにかくフラット。
それにライブスコアのページで見れるYDTなるデータによると、サーブはもう言わずもがなで省きまして、望月君のストロークの平均速度は140km/h台、対するフリッツは178km/h!
ちなみにパワーが足りないと思われ勝ちな西岡君や、日本人は見習えとよく言われるシュワルツマンでさえ152〜153km/hだそうなので、いくらパワーが全てで無いって言ってもかなーり厳しい。
戦術でパワー不足や身長不足がどうにかなるなら西岡君も皆も日本人選手があんなに苦しむ事は無いでしょ。
よく見るじゃないですか、外人のサーブやストロークで、一撃で捻じ伏せるポイント。
そういう楽なポイントが取れず、相手からは良いように打ち込まれ…
が、望月君は何とか粘る、粘ったボールが良いところに入る。
届かないと思ったところに届いて返せてしまう。
俊敏?フィジカル的なスピードと言うより、予測力か。
動画で見るアルカラスみたいな恐ろしい機動力とは違うと思う。
ヤバい!と思ったら・・・なんとか届く。
だから第1セットから第2セット序盤までは望月君は守備型の選手なのかな?って思ってましたが・・・
そう思っていると、どんどんボールがコートに吸い込まれていき、ついに炸裂するカウンター守り一辺倒と思われた望月君のダウン・ザ・ライン。
そしてネットプレー。
えっ、ここで!?と戸惑う自分の前で瞬く間に前へ飛び込み、ボレーを決める。
カウンター、ストロークもそうだ。
自分が予想もできない信じられないコースへショットを放つ。
なんで今のボールをそんな所に打てるんだ!?
何でも届いてしまう守りと、想像を超えてくる攻めのチョイス、それが全て決まってしまう。
フリッツを前に一方的だったはずが、予想外の、際どい、すごいショットの連続で会場は拍手喝采。
日本人贔屓と揶揄する言葉も見受けられますが、残念ながらしょうがない事だと自分は思う。
次々と繰り出される彼のドラマチックなプレーの連続に感嘆の声を我慢しろだなんて不可能でしょう。
(それと、会場を揺るがす望月コールの中でテイラーの名を叫ぶ声は決して少なくはなく、テイラーのポイントに拍手が無い時は一切無かった。
地元贔屓は心情的には万国共通であるのは世界を回ってるテニス選手なら日常茶飯事のはず、そんな中でのテイラーへの声援は届いていたと信じたい。)
望月君のこの全く先が読めない、理解を超えたテニスは、自分の中ではキリオス対モンフィス以来だ。
何でそこに打てるのか、何でそんなプレーができるのか。
こんなプレーは滅多に見れない。今まで生観戦した中で、他にこういうプレーをする選手はキリオス以外思い浮かばない。
あ、ジョコビッチはもうボール打つ前から、動きからして理解を超越してました。
あと圭君見た時の印象は、当時ギルバードに師事してたからか我慢のテニスであまり派手じゃなくて・・・みたいな印象のデ杯と、ATPサンデーの練習の2回なので・・・
たぶん、海外に観戦に行くともっと見られるんだろうな、ナダル、アルカラス、シナーとか…
そんな不思議な感覚と言いますか、これを可能性と呼ぶのか・・・
もう大げさに言っちゃうと、キリオスみたいにGS優勝も射程範囲に入る次元のテニス、何じゃないのかな、もしかして・・・。
大胆過ぎたか?ごめんなさい!!!
ともかくそういったような何かを感じさせてくれる望月君、凄いプレーの連続、でもサービスキープができるならそれでもう十分、上出来だろう…って思っていると、とうとうフリッツのサービスをブレーク。
トップ10のパワーをしのぎ切る、ありえない。
ことごとくボールが際の際に入り、パワーで勝ってたはずのフリッツが苦しそうに返し、望月君が決める。
フリッツがコートサイドのコーチ陣に苛立ちを発散する場面が何度も出てきましたが、そりゃそうだろなと。
会場の雰囲気もあるでしょうがやはり望月君のプレーが信じられない展開の連続。
キープ、キープ、そしてブレークで、奇跡の第2セット奪取。
これでもうこの試合はたたでは済まなくなった。
たかだか200位相手にここまでやられてフリッツがどんなプレーに出るか。
依然、ポイントを楽に取れるのはフリッツ。
望月君は走り回って何度もラリーを続けてようやくってところを、フリッツはサーブとストロークでポンポンと点を取れる。
精神的に追われてるのはフリッツかもしれないが体力を削られているのは望月君の方。
正直、望月君の守備範囲は凄いけど、無理だろってボールに届いてしまうのは体への負担を思うと、ポイントを取れたとしても終盤で響き、試合全体で見るとマイナスになってしまうのではないか。
パワーも体力も日本人選手みんなが苦しんできた課題。
特に望月君なんてトップ10との初めての戦い、体力も経験がまっさらな中で第3セットを戦えるのだろうか。
第2セットを取れたと言ってもまるで奇跡のような光景、とてもこのまま試合まで勝ててしまうだなんて思えない。
本領を発揮するフリッツの前にどうなってしまうのか。
・・・でも、それでもと勝手な期待ばかりしてしまうのが悲しいファンの心理。
もし勝っしまったらとんでもないことになるぞ、大事件だ。
また日本に第2の錦織ブームが来る。
そっから第3セットはただただ祈るばかり。
望月君の決死のプレーが数々のドラマを生み続ける。
そこで感じた僅かな力み、プレッシャーの中でショットが僅かに浮ついてミス。
とうとうフリッツにブレークされ、そしてキープされて5-2。
よく頑張った、今日ここで勝てなくてもこれから先の活躍は約束されたようなもの…
だと思っていたのに、巻き返した、追いついた、そしてタイブレーク…
ブレークできたのは2回だけ、並んでいるがイーブンじゃない。
望月コールがあちこちから湧き出てもはや不協和音、みんな叫ばずにはいられない。
タイブレーク、まさかの序盤リード。
ありえない、あっという間にフリッツの逆襲が来るはず、逃げてくれと祈りながら、ナイスサーブ!
ネット前へ飛び込んでスマッシュ!
ホント、誰にこんな事が予想できたのだろうか。
今でも夢みたいな試合だったなと思う。
生で見た中でダントツでナンバーワンの試合。
俺の中のBIG4は杉田さん、ノヴァク、ニック、そして慎太郎君になった。
200位台の日本人がトップ10に大逆転だよ?
こういうのって1回ジャイアントキリングしても結局は長続きしなくて一発屋で終わる…というのはよくあるけど、そもそも1回戦が31位のエチュベリーでしたね。
その次の試合も43位のポピリンに競り勝った。
ポピリンはパワーも緩急もあるし、ガリンとの試合ではワイドサーブを延々と打ち続けていた。
フォアのエグいアングルもガンガン決めていた。
だから望月君はとにかく外へ走らされて削らされて、フリッツ戦での初めてのトップ10との戦いの疲労もあって敗れるのではと思っていた。
でも素人考えは彼に通用しなかった。
一流の人っていつもこうだ。
この勢いでまさかカラツェフも…なんて思ったけどやっぱりそう甘くはなかった、けど、この結果に絶望してる人はいないでしょ。
まー望月君のこの大活躍を見ていたなら、この先どんな未来が待っているかは分かり切ってますよね。
何でも届く守備力、コートに吸い込まれる真っ直ぐなフラット、抜群の配球センスの後には隙あらばネットプレー…
何を起こすのか全く読めないこんなテニスをできるのは日本人はおろか世界でも有数ではなかろうか。
そして今回、フリッツやポピリン、エチュベリーらの180km/h近いストロークを相手に耐え切ってみせた。
これが偶然だろうか、人生のハイライトとなるだろうか。
トップ100位切りはまず確定だなと自分は思いますね、今回の結果で131位!
100位切りは来年かな?再来年かな?
いくらなんでも1年後は早過ぎか?ってフリッツ戦の時は思ってたけど、西岡君がトップ100入りしたのがなんと21歳!
20歳でGS初勝利、23歳でATP250優勝…
信じられない成績であり、既に実際起きた事であり。
となると、20歳の望月君も今後このルートをなぞる可能性は十分あると思いますが、世界と比べてか弱さを感じるフィジカルとボールのスピードがそんなすぐに強化できるものなのか。
まあそのフィジカルとボールで今回勝ってたんですけど、これからの大会でもこのプレーをさせてもらえるのか。
パワー的なフィジカルもスタミナ的なフィジカルも、彼のディフェンスシブなプレーには勿論頑丈さは必須でしょうが、日本人だけでなく外人も、世界を股に掛けるタフなトーナメントとタフな移動の繰り返しで多くの選手達が疲弊する。
世界回っている間にフィジカル強化できる暇はあるのだろうか。
短そうなオフシーズンで果たせるのだろうか。
サーブやストロークが遅くても勝ってる選手はいるがやっぱボールのスピードが見劣ると心もとない・・・
それと今回の有明のサーフェイスって球足が速く、バウンドが低いって色んな選手から言われたみたいじゃないですか。
それとGSジュニアで優勝し、GS予選突破したのも天然芝のウインブルドン。
もしかして活躍しているのは他の選手が苦戦するコートで?
………いや、それでも有明はバードコートだし、芝で勝ってる選手は大体他でも強いか。
いくら守りが上手いからって遅い球で打たれ続けて防戦一方ではメンタルが削られていく。
諦めずに粘った強いメンタル、なんて言葉も聞こえてきますが、彼はまだ20歳、これから沢山の事を経験していくでしょうからどう転んでいくかは不透明。
木下オープンまでは苦戦していてナイーブになっていたようですし、この大会から一気に伸びるのか、ATPツアーからチャレンジャーに転戦してうまく噛み合わず足踏みしてしまうのか。
試合中も上手くいかない時はコート上で叫んでいましたし、フラストレーションは表に出して発散するタイプ?
これをメンタルが強いと呼べるのかどうか。
素朴そうな顔に見えて負けん気は強そうに思える。
が、そういうメンタリティが西岡君みたいに行き過ぎてしまう、自分を追い込み過ぎてしまう可能性もあると思う。
フィジカル面に加えてこういったメンタル的な部分も、メンタルで苦悩した伊藤竜馬プロがコーチとしてどうケアしていけるのかが気になるところ。
フィジカル的には伊藤プロみたいなストローク力になれれば大分試合運びが楽になりそうだよね。
ただ、IMGのバックアップを持っていての今のフィジカル、これが既に手を色々尽くしている状態なのか、未だ伸び代を秘めているのか。
この先伸びていって世界ランキング50位台になるのか、30位台になるのか、はたまた、錦織に続いてトップ10入りを果たすのか。
西岡が今年24位、GS2大会連続ベスト16という成績を叩き出してもなお、もう錦織ブームみたいな時代は来ないみたいな風潮があるじゃないですか。
でも望月君のこのプレーは第2の錦織ブームになるはず。
今回優勝なんかしてしまったらもう確定だったんじゃないでしょうか。
見ていてドキドキ・ワクワクするプレー、彼を見たらテニスって面白い!って誰しもが思うでしょ!
9:30開場から22時過ぎまで全試合見るテニス観戦の苦しみもすっかり吹き飛んじゃう。
錦織圭、大坂なおみの時代があってもなお超えられない80年代のテニスブーム、それに及ばぬまま日本のテニスの人気が衰退の一途を辿ろうとしている今、望月君の活躍で間違いなく流れは変わった!
ポピリン戦、カラツェフ戦で彼を一目見ようと、ナイトシェッション、多くの人達が有明コロシアムへ押しかけた!
押しかけた理由が話題の若手だからだとしても、すぐに虜になるはず。
話題になったばっかなのに次の試合は松山!神戸!
日本のチャレンジャーを転戦!
錦織も出るつもりみたいだけど、大会開場は果たして観客の数に耐えられるのかどうか!
今を逃すと今後望月君の顔を拝むのには苦労するだろうね。
ただ、同世代のライバルは同じ大会を優勝した1個上のベン・シェルトン、既にATPツアー優勝を果たしている1個下のフィス、そして同い年のホルガ・ルーネ、アルカラス…
望月君があれだけ有望株に思えるのに、事もあろうに同世代が既に大活躍。
冷めた目で見ると現実はメチャクチャ厳しい。
日本におけるテニスの扱いも、たぶんGSベスト4とか決勝進出しないとまともに扱ってくれないでしょ。
というか今年フレンチオープンのミックスで優勝したじゃん加藤未唯、それでブームが来ないとなると、ねぇ。
トップ100の壁がどんなに凄い事であっても人気になるのはいかに分かり易い強さか、望月君が錦織に迫る活躍ができるのか、日本中をテニスで熱狂させられるのか。
でも錦織の活躍だって予想できてた人はほぼいないでしょ。
そして沢山の日本人がトップ100の壁を破り、ATPツアーで優勝し、松岡修造のランキングを超えていった。
誰か一人が活躍し出したらそれだけじゃ終わらない。
この日の試合を見て、俺は日本のテニスの未来は明るいと確信しました。
またテニスの時代が来るぞ!
乗り遅れるなよ?野郎ども!!!!!
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